長らく私学男子校の筆頭として、磐石の地位を築いてきた開成、麻布、武蔵の御三家。だが、徐々に状況は変わりつつある。今、中学受験業界では前回の連載で登場した駒場東邦が新たな御三家、武蔵は御三家にあらず。そう言われるようになりつつある。
今、武蔵に何が起きているのか。武蔵高等学校・中学校、梶取弘昌校長に話を聞いた。
■ 武蔵は本当に御三家ではなくなったのか?
――中学受験業界からは「武蔵は御三家ではなくなった」とシビアな意見もありますが、いかがでしょうか。
その話は耳にします。ですが、武蔵側から「わが校は御三家だ」と自称したことはありません。たぶん塾業界や中学受験業界で勝手につけられた名称ですよね。それにその呼称も東大合格者や医学部の合格者などの実績にのみ着目してつけられたものだと思います。
――東大合格者の人数が減少しているのが原因でしょうか。
そうかもしれません。でも、東大合格者のみで中学、高校を語るのは違うのではないでしょうか。武蔵には京都大学に合格した生徒の中には東大に合格する実力を持っている生徒も多くいます。ほかには慶応や早稲田などの上位校の推薦で入学する生徒たちを見て、「東大を受験すれば入れるのに……」と思うことがあるのも事実です。ですが、学校が強制して志望校を決めさせるような進路指導はしていません。
――入学希望者や保護者の傾向は変わりつつありますか?
ええ。変わってきています。最近は、受験希望者のお母さんの間に、「武蔵に入るとだらしなくなる」とかいううわさが流れているからだと思います。どうしてそういううわさが流れているのかわかりませんが。おそらく武蔵の「自由な」校風が誤解されて伝わっているのだと思います。勝手なイメージで、「私服、茶髪だからだらしないし、面倒見も悪い」。そういうイメージがついてしまっているとすれば、残念なことです。
保護者の方の中には、「補習を制度として取り入れてください」と言う方もいますが、それはしません。すぐに義務化して、生徒のやる気もなくなって、形骸化しますから。
ですが、個別で面倒は見ています。武蔵には1学年170人程度しかいません。麻布、開成と比べると半分くらいしかいない。だから、生徒一人ひとりに目が行き届きやすい。生徒の習熟度が未熟であった場合、きちんと個別補習は行っています。武蔵は意外と面倒見はいいんですよ!
その点、他校は保護者へのアピールが本当に上手だと感じます。生徒の暮らしぶりを書いた学級日誌を保護者に渡したりして、「丁寧な面倒見」を掲げているようです。でもそういうのは「学問」や「教育」とは遠いですし、子供の自立を阻害する要因でしかない。というか、そもそも大学合格にすら関係ないと思います。
親からすれば受験勉強をして、いい大学に行ってほしいと思うのは当然だと思いますが、必ずしもその選択が正解だとは思いません。生徒には無限の選択肢、可能性が広がっているんです。
――受験ばかり考えて6年間を過ごすのはもったいない、と各進学校の先生はおっしゃいます。
私も同じ意見です。生徒によく話す、私自身のことなのですが、私は武蔵のOBで、進学したのは東京芸大です。当時、武蔵から芸大に行く生徒なんてまったくいませんでした。しかも2年も浪人しましたし。親が医者だったものですから、非常に怒られました。当時は「お先真っ暗」という気持ちでしたが、今となっては、「そういう時期があってもいいのでは」と思っています。たぶん、そういうことを言うから保護者から怒られるのかもしれませんね(笑)。
■ 学問とは「遊び」があるもの
――いえいえ、私も1年くらいの浪人はいい経験になると思います。学校としてどのような教育をしていますか? 自由な校風というのは有名ですよね。
生徒に考える力を養ってほしい、中学受験まで続けてきた「詰め込み型」の勉強を変えてほしいんです。そのために武蔵では「本物」の教育に触れられる環境を整えています。
よく「自由な校風」と言われますし、制服もないし、髪を染めるのも自由です。ですが、誤解してほしくないのは、武蔵の掲げる「自由」というのはそういうところに主眼があるわけではありません。「武蔵の自由」とは「学問に対する自由」です。
本来、学問というのは少し「遊び」の部分があるべきだと思います。だから多少無駄なことや遠回りをすることもあるかもしれないけれど、本物の教育に触れさせたいと思っています。教育のモットーとして「本物教育と自調自考」というのを掲げています。自分で調べて身に着けたことこそ本物ですし、そういう教育環境を学校としては整えています。
――何か特徴的なカリキュラムはあるのでしょうか。
さまざまな特徴的なカリキュラムがありますよ。具体的には中学1年から変体仮名を読むことが挙げられます。江戸時代や明治時代の文章を当時のままの文体で読むんです。中学1年生でもきちんと教えれば十分に読めます。
これは、武蔵の掲げる「原典主義」であり、本物の文章の味わいを感じてほしいのです。今の国語の教科書には注釈や解説が多すぎると思います。当然ですが、当時の人は注釈も解説もなく読んでいたんです。頭の柔軟なうちにちゃんと教えれば当時の文章の風味や雰囲気を味わいつつ読みこなすことができるんです。
■ 古文書を読んだり、ヤギを飼ったり…… 本物教育とは?
ほかにも「総合講座」という科目があって、奈良時代の古文書を読み解いたり、生命の大切さを感じるためにヤギを飼ったりしています。そういうことは他校ではなかなかできない。都内の高校でヤギを2頭飼っているのはうちくらいです。生徒は盆も正月も絶対にヤギに餌をやりに来ないといけません。でもそうやって生命の大切さを知っていくんだと思います。
そういうと校長先生自ら学校内を案内してくれた。武蔵中学、高校は武蔵大学と同じ敷地内にあり、かなり広い。敷地内には川も流れている。しばらく歩くと、都内高校唯一と言われるヤギ小屋がある。2頭もいる。名前は「ちい」と「メメ」だ。2頭とも現在妊娠中だという。
古文書を読んだり、ヤギを飼ったり、一見、受験には関係ないように見える。だが、生徒の知的好奇心を刺激して「面白い」と感じてもらうために、色々な取り組みを行うところが「武蔵らしさ」なのかもしれない。
――ほかにも第二外国語を履修するという取り組みもありますね。
ええ。国際的な取り組みも熱心に行っています。中学校3年から第二外国語が必修です。まずは初級クラスから始めますが、ある程度までできるようになったら、高校2年のときに、2カ月間、現地の学校に送り出すんです。
■ 国外研修には先生は付き添わない
――送り出すとは?
そうです。言葉のとおり、ドイツやフランス、中国や韓国などの提携校に行って身ひとつで勝負するんです。武蔵の国際感覚の育成は“修学旅行まがい”のものとは違って、送り出すのです。学校間での手続きなどは武蔵が行いますが、先生は現地にはついていきません。
ほかの学校の国外研修というのはたいてい、先生がついていって、観光地を周ってそれでおしまいというところが多い。でも武蔵のやり方は違います。自分の力でホームステイファミリーと合流して、現地の進学校に通います。現地の生徒に交じって現地の言葉で授業を受けます。最初の1週間程は帰りたくて仕方ないようです。授業内容によっては、言っていることの大半がわからないこともありますから。
ですが、しばらくすると授業にもついていけるようになるし、語学力は飛躍的に上昇する。何より大きな収穫なのは、その国の「負の部分」も見られることです。例えば中国では上海や北京などの繁栄している都市だけではなく、貧しい地域や国民間の貧富の格差まで肌で感じられます。こうした経験を高校2年生のときにできるのは、何にも代えがたい経験です。帰ってきた生徒たちは人間的に大きく成長していますし、目の輝きもまったく変わっていますよ。
でもこうした取り組みには理解を示してくれない保護者もいます。
もし、このまま入学者が減少して、全体的なレベルが下がってしまうと、そういった応用的な学習もできなくなる。基礎学問が未熟なうちに、いくら「本物教育だ、留学だ」と言ったところで意味はないわけです。そういう点で、この自由な校風、教育方針を保つためにも、大学合格実績を上げなければ、というジレンマは抱えています。
■ 「型があるから型破り」なんです
――でも生徒さんを見ていると、とてものびのびと学生生活を満喫しているように感じます。彼らの課題はどこにあると考えていますか。
生徒の中にはわが校のモットーである「自調自考」を誤解してしまう生徒がいることですね。中学1年、中学2年では自調自考なんて言ってもできるはずがないんです。勉強というのは基礎知識がきちんと身について初めて応用のステージに進んでいくものです。なのに「自分で全部考えました」という生徒が出てくる。それって単なる独り言でしょう? 基礎がない人間にクリエイティブなことは期待できない。「型があるから型破り」なんです。「型」がないところには何もありません。ただ無秩序なだけです。
よく「個性を大切にしよう」とか言いますが、個性を大切にする前にまず、ストックはあるのか、基礎は作ったのか? ということを問いかけたいですね。基礎も何もないのに個性を大切にしろといってもそれは単なるわがままです。
――その基礎から応用段階に移って花開くのが高校3年生という時期でしょうか。
いえ、学問というのはそう簡単に花開くものではありません。一生かけて究めていくべき大きな問題だし、だからこそ面白くてやりがいのあることだと思います。武蔵の部活動では太陽観測部という部活があります。その部活のOBでは3人ほどJAXAの中枢にいます。彼らの原点は武蔵での部活動です。高校時代に部室で遊んでいたら宇宙に興味を持って勉強を始めて、大学に行っても研究を続けて、気づいたら「はやぶさ」の打ち上げに携わっていた。こういう風に「学問の遊び」の部分から勉強することの面白さをきっかけにして自分のやりたいことを見つけてくれたら理想ですね。
■ これからの武蔵どう変わる? ?
――なるほど。昨今では都立の台頭など、受験業界も徐々に変わりつつあります。これからの武蔵はどう変わりますか。
難しい質問ですね。でも武蔵らしさは残しつつも、確実に変わりますよ。
――それはやっぱり、大学合格実績の話ですか?
そうですね。これから絶対に巻き返していきます。まずは現役合格で実績を残します。期待していてください。
☆☆☆小学生☆☆☆
小6
【英語】『単語』『主格所有格目的格所有代名詞』
【算数】『一次関数』
宿題の主格~はきちんとできていました!
これと覚えている単語を組み合わせるだけで結構たくさんの文が作れますよ~
☆☆☆中学生☆☆☆
中3補習
【数学】『計算(3乗公式)』
【英語】『必須英単語』
必須英単語はほんとに必須なので完全に覚えてください
山手学院中3年 in1700 out2030
【国語】『追試』
【英語】『和訳』
古典の追試頑張ってください!
英語は語彙を増やして基本的な文法を抑えないとまずいね
まずは学校の授業をきっちり聞いて課題がこなせるようにしよう
☆☆☆高校生☆☆☆
住吉高2年
欠席
東京高2年
【保体】『テスト対策』
【英語】『ライティングテスト対策』
なんとか評定値を上げたいところ
今回と高校3年生の夏直前、二回の考査しかないと思われます
頑張りましょう
東海大高3年
【理科】『生物過去問』
【数学】『数学過去問』
ほぼ過去問通りの形式で出ますので過去問を集中的に解いて行きましょう