大学入試センター試験は14、15日、全国一斉に行われ、東北でも3万6875人が受験する。独立行政法人大学入試センターは、昨年2月に京都大の入試問題がインターネットの質問サイトに投稿された事件を受け、不正防止を徹底。東日本大震災に伴う余震も続いているため、試験会場となる大学では地震が発生した際の対応についても、注意を払っている。
センターは試験会場に、受験生が持ち込んだ携帯電話などの電子機器を、各科目の試験前に机の上に出させ、電源を切ってからカバンの中に入れさせるよう指示。監督者は試験中、20分に1回は机の間を回り、不正行為に目を光らせる。
受験生に事前通知する「受験上の注意」には、携帯電話を使った不正行為について詳しく記載。試験中の携帯電話や電子辞書の使用を含む9項目を例示し、一つでも該当すれば試験場を退場させ、全科目を無効にする。
試験中に携帯電話を手に持っていたり、着信音やアラームを長時間鳴らしたりすることなど8項目も、不正行為になる可能性があると明文化。監督者が発見した場合、注意を促す文書を示し、行為をやめるよう求める。
大学入試センター総務課は「携帯電話は保護者との連絡手段となるため、持ち込み禁止にはできない。『予備的段階』にも注意を促し、不正行為には厳重に対処する」と言う。
試験会場はセンターの要項に従い、対策に取り組む。山形県内4会場で3869人が試験に臨む山形大は「受験者が100人を超える教室があるので、しっかり巡回したい」と話す。
試験会場が、不正行為とともに懸念するのが余震だ。12日には福島県沖を震源とするマグニチュード(M)5.8と、宮城県沖が震源のM5.4の地震が相次ぎ、福島、宮城の両県などで震度4や震度3を観測した。
M5.8の余震では、緊急地震速報が東北地方に流れた。試験中に速報が流れても、受験生は携帯電話の電源を切っているため、受信できない。
構内で2524人が受験する東北大は、速報を受信するシステムを校舎に導入している。速報が出ると、試験場に警戒を促す放送が流れるという。東北大入試課は「大きめの地震の場合は、監督者の判断で試験を一時中断し、試験時間を延長する。非常に強い揺れならば中断後、大学入試センターと対応を協議することになるだろう」と説明する。
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