作家の丸谷才一さんが13日、心不全で世を去った。「多少小説の書き方が分かってきた気がする。最後まで現役の作家でいたいなあ。ハッハッハッ…」。昨年10月、8年ぶりの長編小説「持ち重りする薔薇の花」について取材したとき、ふだんと同じように豪快に笑った姿が今も印象に残っている。
大正14年に山形県鶴岡市に生まれ、東京大学で英文学を学び教職から作家に転じた。小説だけでなく、ジェイムズ・ジョイス(アイルランドの小説家)の翻訳やエッセー、評論も手がけ、執筆歴は半世紀余りに及ぶ。「笹まくら」「たった一人の反乱」「女ざかり」…。代表作には、西欧の文学と日本の古典文学への膨大な博識を後ろ盾にした知的なユーモアと俗っぽさが絶妙に同居する。一連の著作は、日本近代文学での主流だった、とかく深刻で陰鬱なムードを漂わせる私小説的な伝統との闘いの歴史そのものだといっていい。
文学者らしく、日本語の芸と正確さには徹底してこだわった。時には国語教科書批判の論陣を張り、昨年文化勲章を受章した際に有志が開いた「受章を祝う会」では、随所に参加者の笑いを誘い、参加者を楽しませるスピーチの手本を示してみせた。
小説にエッセーに、評論に、と80歳を過ぎても健筆を振るう秘訣を尋ねると、「スポーツをしないこと。あれは健康に悪いんだよ」と笑った。こんなところにも、大勢に流されない、頑固な生き方がよく表れていた。
☆☆☆英語検定一次試験☆☆☆
二次試験は11月11日(日)にあります。
☆☆☆補習☆☆☆
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